
医療機関のGoogleクチコミ対策 完全ガイド|クリニック・歯科・整骨院・薬局
「Googleマップのクチコミに、事実と違うことを書かれた」「返信したいが、患者さんの情報に触れてよいのか分からない」——医療機関のクチコミ対応には、飲食店や小売店とは違う難しさがあります。
この記事は、クリニック・歯科医院・整骨院・調剤薬局・動物病院などの医療機関がGoogleクチコミとどう向き合うかを、論点ごとに整理したガイドです。各項目の詳細は個別の記事にまとめていますので、必要なところから読み進めてください。
医療機関のクチコミが、他業種と違う3つの理由
1. 医療広告ガイドラインという固有のルールがある
医療機関の広告は医療法で規制されており、厚生労働省の「医療広告ガイドライン」が判断基準になります。患者の体験談を医療機関自身が広告として掲載することは、原則として認められていません。一方で、Googleマップに患者さんが自分の意思で投稿したクチコミは、医療機関が出した広告とは性質が異なります。この線引きを誤ると、意図せず規制に触れる可能性があります。
詳しくは医療広告ガイドラインとGoogleクチコミで解説しています。
2. 返信の一言が守秘義務に触れうる
「先日はご来院ありがとうございました」——一見ふつうのお礼ですが、これはその人が受診した事実を医療機関が公開の場で認めたことになります。受診歴は特に配慮が必要な個人情報です。医療機関の返信には、他業種にはない書き方の作法があります。
詳しくは医療機関の返信例文|守秘義務を守りながら誠実に返すをご覧ください。
3. 治療結果への不満と、接遇への不満が混ざる
医療機関へのクチコミは、治療内容そのものへの評価と、待ち時間・受付の対応といった接遇への評価が混ざって書かれます。前者は医学的な判断に関わるため公開の場で議論すべきではなく、後者は改善で確実に減らせます。この切り分けが対応の出発点になります。
クチコミを増やしたいとき
クチコミが少ないと、たまたま投稿された1件の低評価が平均点を大きく下げます。件数を増やすことは、それ自体が低評価対策になります。ただし医療機関の場合、依頼の仕方には注意が必要です。
- やってよいこと:診療後に「よろしければご感想をお聞かせください」と案内する、院内にQRコードを掲示する。
- 避けるべきこと:診療費の割引やサービスと引き換えに投稿を依頼する、良い評価をしてくれそうな患者さんだけを選んで依頼する。
依頼の文面例と注意点は患者さんにクチコミをお願いしてもいい?にまとめています。
クチコミに返信するとき
返信は、書いた本人よりもこれから受診を検討している人に向けて書くものです。低評価に対して感情的に反論すると、その姿勢そのものが評価されてしまいます。
- 受診の事実に触れない書き方をする
- 症状・治療内容には公開の場で立ち入らない
- 接遇への指摘は素直に受け止め、改善を簡潔に伝える
- 個別の事情は「窓口までご連絡ください」と場所を移す
具体的な文面は医療機関の低評価クチコミへの返信例文を参考にしてください。医療機関でもっとも多い「待ち時間」への不満については、待ち時間のクチコミへの対応で個別に扱っています。
事実と違うことを書かれたとき
受診していない人による投稿、誹謗中傷、個人が特定できる内容の書き込みは、Googleのポリシー違反として削除を報告できる場合があります。ただし「治療に納得できなかった」という主観的な感想は、事実誤認とは扱われず削除されないのが通常です。
削除できるもの・できないものの線引きと申請手順は、医療機関の削除申請の進め方で解説しています。
地域の患者さんに見つけてもらうために
クチコミ対策と並行して、Googleビジネスプロフィールの情報を整えることも重要です。「地域名+診療科」で検索したときに表示されるかどうかは、診療科目の登録、診療時間の正確さ、写真の充実度などに左右されます。
手順は医療機関のMEO対策にまとめました。
業種別のガイド
- クリニック・歯科医院のためのGoogle口コミ・MEO対策の始め方
- 整骨院・整体院のためのGoogle口コミ・MEO集客ガイド
- 調剤薬局・ドラッグストアのためのGoogle口コミ・MEO集客ガイド
- 動物病院のためのGoogle口コミ・MEO対策ガイド
- 研究データで読む医療機関の口コミ評価──「医師の応対」が★を動かす最大要因だった
よくある質問(FAQ)
Q. 医療機関はGoogleのクチコミを患者にお願いしてもいいですか?
A. 投稿を依頼すること自体は禁止されていません。ただし、金銭やサービスと引き換えに依頼する、良い評価をしそうな患者だけを選んで依頼するといった方法は、Googleのポリシーや景品表示法に触れる可能性があります。診療後に全員へ一律に案内する形が安全です。
Q. クチコミへの返信は医療広告ガイドラインの対象になりますか?
A. 患者が自発的に投稿したクチコミ自体は、医療機関が出した広告とは性質が異なります。ただし医療機関側の返信の書き方によっては、治療効果を示唆する広告と受け取られる可能性があります。返信で治療の効果や成果に言及しないことが基本です。
Q. 返信で「ご来院ありがとうございました」と書いてもいいですか?
A. 推奨されません。その人が受診した事実を医療機関が公開の場で認めることになり、守秘義務の観点で問題になり得ます。「ご意見をお寄せいただきありがとうございます」のように、受診の有無に触れない書き方が安全です。
Q. 事実と違うクチコミは削除できますか?
A. 受診していない人物による投稿や、個人が特定できる内容、誹謗中傷はポリシー違反として報告できます。一方、治療への不満や主観的な感想は、内容が厳しくても通常は削除されません。
まとめ
医療機関のクチコミ対策は、件数を増やす・丁寧に返信する・違反投稿には手続きで対応するという3つの柱で成り立ちます。他業種と違うのは、そのすべてに医療広告ガイドラインと守秘義務という制約がかかる点です。
まずは、返信の書き方を院内で統一するところから始めてください。誰が書いても同じ品質で返せる状態をつくることが、いちばん確実な改善になります。