
患者さんにクチコミをお願いしてもいい?医療機関での依頼の作法と注意点
「クチコミを増やしたいが、患者さんにお願いするのは失礼ではないか」「そもそも医療機関がお願いしていいのか」——よくいただく質問です。
結論として、投稿をお願いすること自体は禁止されていません。ただし、依頼の方法によってはGoogleのポリシーや景品表示法に触れる可能性があります。この記事では、安全な依頼の仕方を整理します。
なぜクチコミの件数を増やす必要があるのか
クチコミが5件しかない医療機関に星1が1件つくと、平均点は大きく下がります。50件あれば、同じ1件の影響はごくわずかです。件数を増やすことは、それ自体が低評価への備えになります。
また、受診先を探している人にとって、件数の少なさは判断材料の乏しさを意味します。診療の質が同じでも、情報が少ない側は選ばれにくくなります。
やってはいけない依頼の方法
- 見返りを渡す:「クチコミを書いてくれたら次回の自費診療を割引」など。Googleのポリシー違反にあたり、景品表示法上も問題になり得ます。
- 患者を選んで依頼する:満足していそうな人だけに声をかける方法(レビューゲーティング)。評価を意図的に偏らせる行為とみなされます。
- スタッフや家族が書く:関係者による投稿はポリシー違反です。発覚するとクチコミが削除されるだけでなく、プロフィール自体が制限されることがあります。
- 星の数を指定する:「5つ星でお願いします」という依頼は、評価の操作にあたります。
安全な依頼の仕方
1. 全員に、同じ案内をする
会計時や次回予約の案内とあわせて、全員に同じ声かけをします。選別していないことが明確であれば、問題は生じにくくなります。
2. 感想であって評価ではない、と伝える
「よい評価をください」ではなく「気づいた点をお聞かせください」と伝えます。改善点の指摘も受け入れる姿勢を示すことで、依頼が押しつけになりません。
3. 書く手間を減らす
受付にQRコードを掲示する、診察券やお会計時の控えにQRを印刷する、といった工夫が効果的です(QRコードの作り方と設置アイデア)。その場でスマートフォンから投稿できる状態をつくることが、いちばん件数に効きます。
4. タイミングを選ぶ
治療が一段落したとき、経過が落ち着いたときなど、患者さんの気持ちが前向きなタイミングが自然です。処置の直後や、体調がつらそうなときは避けます。
声かけの文例
受付での声かけ
「本日はありがとうございました。当院では、患者さんのご意見を診療の改善に役立てています。もしお時間がありましたら、こちらのQRからご感想をいただけますと幸いです。」
院内掲示の文面
「当院へのご意見をお聞かせください。よかった点も、気になった点も、今後の改善に役立てさせていただきます。」
いずれも「評価してください」ではなく「意見を聞かせてください」という立て付けにしている点が要点です。
スタッフ全員で同じ運用にする
声をかける人とかけない人がいると、結果的に患者を選んでいることになります。誰が対応しても同じ案内になるよう、文面を決めて共有してください。
件数の管理や依頼の送信をツールで行う場合は、送信先を選別していないかを運用ルールとして決めておくと安全です。
よくある質問(FAQ)
Q. 医療機関がクチコミの投稿をお願いすることは違法ですか?
A. 依頼すること自体を禁じる規定はありません。ただし金品と引き換えにする、患者を選んで依頼する、星の数を指定するといった方法は、Googleのポリシーや景品表示法に触れる可能性があります。
Q. お礼として粗品を渡すのはどうですか?
A. 投稿と引き換えに渡す形は避けてください。来院者全員に配布しているものであれば問題は生じにくいですが、「書いてくれた人だけ」という条件をつけると見返りにあたります。
Q. 不満を持っている患者さんにも声をかけるべきですか?
A. 全員に同じ案内をするのが原則です。厳しい意見が投稿されるおそれはありますが、改善点を知る機会にもなります。返信で誠実に対応すれば、その姿勢自体が他の人への説明になります。
まとめ
医療機関のクチコミ依頼は、全員に・同じ言葉で・見返りなしでが原則です。この形を守れば、件数を増やす取り組みは安全に続けられます。
集まったクチコミへの返信の書き方は医療機関の返信例文を、全体像は医療機関のGoogleクチコミ対策 完全ガイドをご覧ください。